ガラ鉄「鉄道信号」

日本の鉄道が欧州の鉄道と大きく違うのが線路です。
線路というと欧米との違いによく語られるのはゲージの幅ですが、日本は標準軌に対して狭軌が採用されています。今回のテーマとして取り上げるのは、複線の方式です。

日本の複線は片方向、一方通行の線路を方向別に並べて複線にしています。上りと下りと分けて運転するので信号システムもシンプルで済むと言う利点があります。
一方、欧州では双方向の単線を2つ並べて複線にしています。この場合信号システムが複雑になりコスト増につながります。

コスト意識が高い欧州でなぜコスト増につながる双方向複線にしているかと言うと、この場合どちらかの線路をメンテナンスしながらもう一つの線路を使い運行が出来ると言うメリットがあるからです。
その為、ある程度の閉塞区間ごとに左右の路線に入れ替える渡り線が整備されており、メンテナンスだけでなく異常時もその渡り線を使って運転継続が出来るのです。

軌道や信号、電気関係のメンテナンスが発生するとその区間で単線運転に移行します。その分列車に遅延が生じる訳ですが列車は運行出来ます。
そもそも日本の様な定時性を求められて居ない(少し程度の遅れは気にしない国民性?もありますが)訳で目的地までたどり着くことが出来ることを目的としていることから運行継続出来る体制を考えているのです。

SBB IR

ETCS規格が採用されているスイス国鉄

この方式は欧州だけでなく、台湾や中国の高速鉄道でも採用されており、欧州のこの方式が標準と考えられても不思議では無く、さらに欧州では統一した列車制御システム”ETCS”の導入が進んでおり、その根底には双方向複線での信号方式と言うことがあります。

日本では長きに渡り、片方向複線方式を採用していますが、例えば運転本数が少ない区間ではこの双方向複線を採用しても良いのでは無いでしょうか?
夜間に行っていたメンテナンスが昼前に行えることで、メンテナンスコストを下げることも可能です。

日本の新幹線を輸出しようと躍起になってますが、”双方向複線””ETCS規格”こういった欧州の鉄道事情を日本が理解して自らも採用してみてどこが利点と弱点を知る必要があるんじゃないかな?と思っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました