OBBとSBB

オーストリア連邦鉄道(OBB)に乗車してスイス連邦鉄道(SBB)と言えばアルプス山脈に挟まれており山岳路線も多く、同じドイツ語圏とあって似ているなぁと漠然と思っていましたが、先月、OBBに乗車してスイス連邦鉄道SBBと似ているようで考え方が全然違うんだなと気づきました。

山間部のローカル駅で降りたのは自分だけでした。


今回、OBBで訪れたのはゼメリングまでですが、SBBは山間部のローカル駅は廃止してバスに役割を譲ってバスとの接続を図っていますが、ゼメリング区間では山間の小駅も運用されており、普通列車が停車して滅多に乗り降りしない乗客への便を図っています。

そんな山間部、ゼメリング駅はOBBの亜高速車両のレールジェット(RJ)が停車し駅員が居ると思ったら運転扱い要員(ポイントや信号を扱う)で乗車券類は一切扱わないのです。
SBBでは基本的に駅員配置駅では乗車券類を扱ってます。

欧州の鉄道で国を跨ぐと色々と変わるので、こういう発見をしながら旅するのも楽しいものです。

ゴッタルドベーストンネル開業

ゴッタルドベーストンネル入口

ゴッタルドベーストンネル入口

今年6月に開通したアルプスを貫くゴッタルドベーストンネルへ12月11日から営業運転を開始しました。
開業に合わせてSBBのダイヤ改正も行われ、ルガノ、イタリア方面行のECやICはベーストンネル経由となり所要時間も30分~45分程度短縮となりました。

トンネルは双方向運転が可能な単線式トンネルが並行して2本あり、途中には避難停車駅や双方のトンネルへ渡れる渡り線も備えられています。

トンネル内の最高時速は250km/hですが単線式なので、青函トンネルで問題視されている高速列車と貨物列車がすれ違う際の風圧による脱線の問題が無いのが特徴です。
(日本も第二青函トンネルを掘るべきなんですけどねぇ~)

旅客列車はもとよりアルプスを超える長大な貨物列車にはこのトンネルは大きな恩恵を与え、輸送力の増強が可能になりました。

一方でメインルートから外れることになったGöschenen経由の旧線ですが、廃止にはならずエレストフィルドから旧線経由のルガノ方面行のREが1時間毎に運転され、万一ベーストンネルでトラブルが発生した際のバックアップ路線としての役割を持たせます。

今までIRに連結されていたパノラマ1等車が無いのが残念です。
ただ、夏季には観光列車を走らす計画もあるようなので、何かしらの観光用車両が投入されると思われます。

ガラ鉄「鉄道信号」

日本の鉄道が欧州の鉄道と大きく違うのが線路です。
線路というと欧米との違いによく語られるのはゲージの幅ですが、日本は標準軌に対して狭軌が採用されています。今回のテーマとして取り上げるのは、複線の方式です。

日本の複線は片方向、一方通行の線路を方向別に並べて複線にしています。上りと下りと分けて運転するので信号システムもシンプルで済むと言う利点があります。
一方、欧州では双方向の単線を2つ並べて複線にしています。この場合信号システムが複雑になりコスト増につながります。

コスト意識が高い欧州でなぜコスト増につながる双方向複線にしているかと言うと、この場合どちらかの線路をメンテナンスしながらもう一つの線路を使い運行が出来ると言うメリットがあるからです。
その為、ある程度の閉塞区間ごとに左右の路線に入れ替える渡り線が整備されており、メンテナンスだけでなく異常時もその渡り線を使って運転継続が出来るのです。

軌道や信号、電気関係のメンテナンスが発生するとその区間で単線運転に移行します。その分列車に遅延が生じる訳ですが列車は運行出来ます。
そもそも日本の様な定時性を求められて居ない(少し程度の遅れは気にしない国民性?もありますが)訳で目的地までたどり着くことが出来ることを目的としていることから運行継続出来る体制を考えているのです。

SBB IR

ETCS規格が採用されているスイス国鉄

この方式は欧州だけでなく、台湾や中国の高速鉄道でも採用されており、欧州のこの方式が標準と考えられても不思議では無く、さらに欧州では統一した列車制御システム”ETCS”の導入が進んでおり、その根底には双方向複線での信号方式と言うことがあります。

日本では長きに渡り、片方向複線方式を採用していますが、例えば運転本数が少ない区間ではこの双方向複線を採用しても良いのでは無いでしょうか?
夜間に行っていたメンテナンスが昼前に行えることで、メンテナンスコストを下げることも可能です。

日本の新幹線を輸出しようと躍起になってますが、”双方向複線””ETCS規格”こういった欧州の鉄道事情を日本が理解して自らも採用してみてどこが利点と弱点を知る必要があるんじゃないかな?と思っています。

ゴッタルドベーストンネル開通へ

有名なゴッタルド峠を走るSBB

有名なゴッタルド峠を走るSBB

スイス連邦鉄道(SBB)が建設を進めていたスイスアルプスを貫くゴッタルドベーストンネルが6月1日に開業します。開通により世界最長のトンネルとなり、今まで世界一だった青函トンネルが第二位に転落することになります。

トンネルはアルプス山脈を縦貫してヨーロッパの南北軸を形成する最重要交通路となり、現在ゴッタルド峠を越える貨物列車や長距離列車はトンネル経由となります。

すると現行のルートは廃線?と思うのが日本人ですが、そこはさすがスイス。
万一、トンネルで事故が発生して不通となった場合にスイスとイタリアを結ぶ大動脈だけに直ぐに現行ルートへ振り替えることが出来るように現行ルートはトンネルのバックアップとして引き続きローカル列車がゲシェネン駅を経由して運行されることになっています。

このルートはスイスでも有数な絶景ルートとして有名だっただけにローカル列車が残るのは嬉しいものです。

6月に開業しますが本格運用となるのは12月とも伝えられており、暫くは現行ルートの絶景を楽しめそうです。