葛飾区新金線旅客化検討に予算化

国道6号線を塞ぐ新金線。運悪く遮断時に救急車が踏切待ちする。

総武本線の金町支線、通称新金線の旅客化に向けて葛飾区が来年度予算で調査費を計上するとの報道がありました。

葛飾区には、新金貨物線の旅客化の他、地下鉄8・11号線の延伸、メトロセブンの建設などのプロジェクトがあり、それらの建設に向けたいろいろな調査について外注化する費用を計上した一環だと思います。

ですが新金線旅客化について以前にも書きましたが、多くの難題がり、また費用対効果の面から旅客化は難しいと思っています。
JRがやる気が無いのなら、自治体がお金を使ってまで旅客化するのは現実的では無いですし、そもそもLRTなら安くつくと言った安易な考えでは将来に渡って補助金を出していくことになりかねません。

将来に渡って新金線にお金を出し続けることになりかねません。ちゃんと需要予測が出来るコンサルタントに調査をしてもらいたいものです。

新金線の旅客化を考える~その5~

さて、どう行うかというと

下町の重要な足。バス路線を守らないと

下町の重要な足。バス路線を守らないと

新金線と越中島線からレールを撤去してバス専用道に転換します。
現行の踏切は一般交通信号機に切替え、一般車両がBRT側に入らないよう踏切を今の線路側に設置しバスが来た時だけ開ける仕組みにします。(歩行者や2輪車が入り込まないように何かしらの装置は必要でしょうね)
BRT区間には何箇所かバス程を設け、乗車前に料金収受をすることで乗車をスムーズにします。

さらにBRTから一般道の乗換えるジャンクション交差点を新砂(明治通り→新木場)・南砂(清澄通り)・亀戸(京葉道路)・新小岩(蔵前橋通り)・上一色(環七)・新宿(水戸街道)に設けて、バスがそのままBRTと一般道を乗換出来るようにして、各地域を結ぶ路線としても活用できるようにします。
もちろん、新木場から金町までBRT区間を直通するバスも走らせます。BRT区間だけなら連接バスの導入も容易でしょう。

特に越中島線区間は高架で踏切が無い区間が長いのでバスでも時間短縮が図れると思います。
橋梁部が片側通行となってしまいますが、バスなので上手く車載GPS信号を上手くコントロールできる信号機を設けるなどで対応が可能だと思ってます。
ゆくゆくは架け替えして対面交通が出来るようにしたいですね。

現状の中で、かつ地域交通をトータル的に考えると貨物線の旅客化でなくBRTへの転換と言う方策が一番良いのでは無いかと言うのが自分の結論です。

もちろん、机上の空論であり、実現には多くの問題があると認識しています。JRの社長が会見で新金線旅客化を表明。なんてことがあると嬉しいけど、難しいでしょうね。

何が何でも鉄道で無ければと言う考え(特に鉄道マニアに多い)は、一旦脇に置いて地域交通をグローバルな面、コストの面、将来のことまでトータルに考えて欲しいと事が言いたいのです。

これは国にも言えることです、国土交通省は縦割り行政の宝庫です。だからグローバルな交通政策が出来ない組織でいままで空・陸・海と総合的に交通政策が無く地方の没落にもつながっているので、早くそういう事に気づいて欲しいと思っていますが・・・

(おわり)

新金線の旅客化を考える~その4~

ではTRAVAIRが考えるウルトラC的な案です。

まずは、越中島のレールセンターを神奈川の川崎地区に移設します。この地域には船の接岸出来る装置を持った工場が数多くあり、こちらの工場などを買収し用地を確保します。
川崎貨物駅からの臨海鉄道もあるので接続も容易ですし、東海道貨物線と直結しているのでJR側もメリットがあります。
鹿島へ向かう貨物列車は成田線(我孫子線)経由にするのが理想ですが、保安装置など改修がかなり必要になるので土浦からのオフレール輸送(トラック)への切替えます。トラック切替と環境には良くありませんが、圏央道も常磐道から東関道まで連接したので安定した運行が可能です。

これでLRT化の条件は揃います。

非電化の越中島支線も転用しましょう

非電化の越中島支線も転用しましょう

しかし、ここまでたどり着くのに多額の費用が掛かります。

そこでこれらの事業を進めるには新しい南北交通として、新小岩~越中島間の通称、越中島貨物線を含めた「新木場から金町に渡る新交通システムの構築」として、国・都・江東区・江戸川区・葛飾区が主体として行うのが望ましいと考えています。
これら地域では環七の地下を利用したメトロ7と言う鉄道構想を持っている中、一部区間が被る新金線のLRT化を進めるのは難しいと思っています。

なので自分は、LRT化でなくBRT(バス高速輸送システム)化を考えているのです。
なぜならこれらの地域は既にバスが住民の足として活躍しています。もしLRTが開通したことでバス路線が廃止されたらかえって不便になる地域がでます。
下町地域では住民の高齢化が進んでおり、バスがあると無いのでは不便差がかなり異なります。これらの区間を走っているバスの乗客を見れば一目瞭然です。

LRT駅まで近ければ良いですが遠くなると利用しずらいのです。

こういった問題を解決するのにもBRTは有益だと考えててます。バスと言う切り口ならメトロ7とは被らず、メトロ7は鉄道として整備を働きかけていけます。

全線単線の貨物線をLRT化するには行違い設備の設置など費用やランニングコストを考えるとBRTの方が有利です。
新金線を旅客化するのは0から線路を敷くよりは、数割は安価になると思いますがそれでも鉄道(LRT)には多額のイニシャル費用が掛かります。
その高いイニシャル費用を回収する為に最近開業した鉄道は、どこも高額な運賃になってしまいます。
本来、鉄道は社会インフラであって建設費を運賃に上乗せして回収すること自体がナンセンスだと個人的には思っていますが、これを変えるのは相当難しい問題です。

そこで費用を大幅に削減して大量で定時制をもたせた交通手段として注目しているのがBRTなのです。

次回はもう少し詳しく説明します。
つづく

新金線の旅客化を考える~その3~

新金線貨物列車

貨物列車の存在がLRT化の問題となってしまう・・・

LRT化の問題は、貨物列車の存在です。
今でも1日4往復の貨物列車があります。また臨時列車の回送経路としても使用されており貨物線と言えどもJRとしても利用価値が無い訳でもありません。

現在、地元で提唱されているLRTでは、JRの貨物列車との併存を考えているようですが、そうなった場合、提唱されている50億では足りません。

50億は完全にLRTで運行された場合の概算費用(富山港線のLRT化を参考にしたモノなので)です。
もし現行列車と併存となると、保安装置関係の改修費用だけで50億位は吹っ飛んでしまうと想像しています。鉄道工事では土木工事に続いて保安装置の工事費が高くなる傾向にあります。

現行列車の保安規格に合わせてLRT化すると言う手もありますが、そうなるとそもそもLRT化する意味が無くなってきます。
それに現行列車が走るとなると水戸街道の踏切を軌道法で解決する案は無理になります。

LRT化するには、現行列車を廃止すれば可能ではありますが、これにも問題があります
貨物列車の場合、経路を迂回させるなどの代替え策がありますが、JR東日本の越中島にレール工場があります。
ここからレールを貨物列車(厳密には工事用列車)を仕立てて新金線を通り各地へ発送しているのです。
ココをLRT専用線にするには、レール工場の移転も必要になります。
ただ製鉄所からレールを船で運搬してくるので、船が接岸できて荷揚げ出来る場所でなければならいのです。
解決策を葛飾区が改修費用や移転費用を負担するれば可能でしょうが、それだけでも莫大な費用となります。

線路があるから電車を通せば良い、複線化用地があるから簡単に交換設備が造れるとかと言った議論を良く目にします。
でも現状を考えると自分が生きている間には新金線が旅客転用化することは、JRがこの路線は収益上のメリットがあるので、旅客化します!と言わない限り無理だとと思っています。

あとは個人的に考えるウルトラC?ができればなぁ~

次回はTRAVAIR案について紹介したいと思います。

つづく

新金線の旅客化を考える~その2~

新金線旅客化で最大の難関となるのが国道6号、通称水戸街道の踏切です。

国道6号線を塞ぐ新金線。運悪く遮断時に救急車が踏切待ちする。

国道6号線を塞ぐ新金線。運悪く遮断時に救急車が踏切待ちする。

平成23年に国土交通省 関東地方整備局がまとめた「一般国道6号新宿拡幅」の事業計画(再評価版)を見ると、踏切付近の新宿の道路拡張に際して、「本事業を進めるには、交差するJR新金線(貨物)の高架化が必要である。しかし、JR新金線(貨物)の高架化は時期が未定となっており、調整に時間を要していたが、まずは現道拡幅(6車線化)を実施することで合意されたため、平成17年度より用地取得に着手。」の文字があります。

この工事は国道6号線と環七陸橋交差点から新宿周辺までの道路を拡張して6車線化するものです。国道6号線は京成金町線の踏切があり長年渋滞する場所でしたが、オーバークロスする陸橋が開通し金町駅周辺の渋滞は解消されたものの新中川への勾配と環七へ流出する車の増大で新金線踏切周辺から渋滞が恒常化しており、これを解消する為の工事です。

事業計画を見ると新金線はJRの手により高架化される計画にはなっていますが、この資料から高架工事は着手は未定となっています。

現在、東京都内では開かずの踏切対策で多くの高架事業を行っていますが、新金線の踏切は連続立体化交差事業にまだ指定されていません。
やはり「開かずの踏切」では無いのが後回しにされている理由でしょう。
連続立体交差事業には多くの税金が投入される訳ですが、現状では優先順位が下がるのは仕方無いところです。

多分、早く立体化を進めるには旅客化することが決まらないことに進まないと思います。
残念ながら、JRは旅客化に積極的では無く事業主体が決まらない状況では、立体化を早期着工させるのは至難でしょう。

踏切問題を解決するには軌道法によるLRT運行にすれば解決されると言う意見もあります。
いわゆる路面電車にして、踏切では道路信号に従って通行すれば立体化せずに旅客化転用が出来ると言うのですが、これにも問題が多いのが実情です。

次回はその問題を取り上げてみます。
つづく

新金線の旅客化を考える~その1~

新金線を走る団体臨時列車

新金線を走る団体臨時列車

上野東京ラインが来月開業しますが、JR東日本の都心ネットワークはほぼ完成する形になります。後は羽田空港新線構想がどうなるか?と言ったところでしょうかね。

そんなJR東日本の路線ネットワークから見捨てられたのかように、地元に総武本線の金町支線、通称「新金線」があります。葛飾区の南北を走る貨物線は、JR常磐線とJR総武本線を結ぶ貨物用の路線ですが、昔から旅客転用化の要望があるものの実現していません。

なにせJR東日本は新金線の旅客転用化には消極的と言うより、やりたく無いのが本音なようですからね。
自分が考えるには旅客化のメリットがJRには全然無く、残念ながらデメリットの方が大きいからでは無いかと考えてます。

その主なデメリットは

・営業キロの変更による運賃収入の減少
・新金線旅客化のメリットがJRにない
・国道6号(水戸街道)の踏切

と言ったところでしょう。

新線開通による運賃収入の減少ですが、新線が開通すれば乗客が増えるので増収になりそうですが、新金線の場合、増収どころか減収になる可能性を秘めているのです。

大都市近郊区間なので運賃計算は実際の乗車経路に関わらず最短距離で計算します。
新金線の営業キロは7.1kmと仮定します。(これは現在の路線長が小岩起点の8.9kmとなっており、新小岩(信)~小岩間の2.3kmが重複しているのでこれを除き、新小岩(信)~新小岩の0.5kmを加えた数字を採用します。)

この前提で
両国から松戸まで乗車する場合、日暮里経由だと21.4kmで390円です。
一方、新金線経由では17.7kmで310円となり、JRとしては80円の減収となります。

この様な運賃の変更区間が、常磐線各駅と大都市近郊区間(特に総武線で絡む区間)で生じることになります。

利用者としては歓迎されますが、企業として見た場合、費用を掛けて開業したら減収になったでは済まされません。
新金線の新駅開業でバスや京成線からの旅客移転があるから増収になると言う議論もあるかも知れません。しかし、そうであれば既に葛飾区が関係者と新金線の旅客化構想について非公式な打合せをした際に、JRが自社案を打ち上げている筈です。

上野東京ラインを開業(回送線を復活させただけですが)しますが、開業で乗客が増えるのでは無いのに多額な費用を掛けているじゃんと言われるかも知れませんが、JRはこの路線開業で品川~田町間の開発事業が行える事になり、これからの少子化時代の収益になる開発事業が出来るのが最大のメリットになります。
もちろん並行する京浜東北線や山手線の混雑率緩和は昔から課題であるのと、山手線のホームドア設置に伴いホーム滞留導線の悪化するのを防ぐ効果があります。

残念ながら新金線開業で、JRには何もメリットが無く、多くの郊外私鉄と連接する武蔵野線の強化をした方がJRとしてはメリットがあると考えているのでは無いでしょうか

だから、既にJRは費用対効果を考えて旅客化のメリットが無いと判断していると考えるのが妥当だと思います。

思いのほか長くなったので、この続きは改めて書きます。
つづく