2016年欧州乗り撮り記(その3)

2016年9月3日

時差ボケの影響なのか、目覚ましよりも早く朝6時半過ぎに目が覚めました。カーテンを開けるとまだ夜が明けきらないベルリン中央駅が目の前にあります。

ゆっくりと支度をしながら、8時ちょい前にホテルをチェックアウトします。
今日はベルリン中央駅8:31発のICEに乗ってブラウンシュヴァイク・フィーネンブルク経由で今回の目的の一つ、ハーツ狭軌鉄道の始発駅「ベルニゲローデ」へ向うの予定です。

明日再び、ベルリンに戻り夜行列車でスイスに向かうので大きな荷物は駅のコインロッカーに預け、1泊分の荷物とカメラバックと言う軽装?で出かけます。

中央駅2階コンコースのコインロッカーを確認すると3日間連続利用(4ユーロ/1日)できるようなので、荷物を預けます。
身軽になって、これから乗るICEのホームを確認すると14番ホームなので高架ホームになります。

吹き抜けのベルリン駅

ベルリン中央駅は、東西ドイツ合併後に新たなベルリンの中央駅として建設された真新しい駅で、南北に向かう地下ホームと東西に向かう高架ホームがあり、内部は吹抜け構造になっていて地下ホームから4階相当の高架ホームまで眺められるのは壮観です。

時間的にお昼は車内になりそうなので、お昼用にサンドイッチをベーカリーショップで購入してホームに上がると結構な人が列車を待っています。ホームからは宿泊したホテルが良く見えます。

昔、ハンブルグからフランクフルトまでICEに乗車した際に満席で座れなかった経験があったので今回乗車券を購入した際に座席予約しておきました。
乗車するICEはベルリン東駅始発なので、ベルリン中央駅から座れない可能性があるのでと指定券を押さえましたが、なんかそわそわしてしまいます。

ICEICEは定刻に到着し、乗客がドアに集まります。

指定座席は6号車71番です。DBホームページからこの列車限定の割引乗車券を購入する際に座席指定をしましたが、その際にシートマップで指定出来る様になっていたので、2等車で進行方向の一人掛けシートを予約したのですが、どういう訳か進行方向と逆向きでした。

うーん日本みたいにシートの向きを変えられませんからこれはちょっと残念。

予約システムが悪いのか運用の都合なのか・・・

ベルリン中央駅での停車時間は短く、直ぐに出発したICEはベルリン郊外のSpandau駅に停車した後は一気に加速していきます。

朝食はICEの食堂車で決めていたので、この先1時間近く停車しないので食堂車に向かいます。
残念なことに食堂車の半室ある食堂車コーナーはテーブルが塞がっていたので、空いていたカフェテリア側に座りメニューを眺め、モーニングメニューみたいなのがあるのかなと思っていましたが、グランドメニューだけで朝昼晩とも同じメニューの様です。

ICEの食堂車で結局、茹でソーセージとコーヒーで朝食にします。
カウンターで注文して少し待っていると、料理は厨房でレンジでチンですのでそんなに待たたずに出来上がり、呼ばるのでカウンターへ取りに行きます。

流れ行く車窓を眺めながらの食事は格別ですねぇ~
レンジでチンと言え、さすが本番ドイツのソーセージだけあって、プッリと皮を剥くとジューシーなうまみ脂が溶け出しておいしかったですね。

食後のコーヒーを飲んでいたら車掌がやってきて検札を行います。食堂車でも検札するのが欧州式です。
A4サイズのPDFを印刷にした乗車券にバーコードリーダーを当てて有効性確認を行い、日付と列車番号が入った検札鋏を入れて返してくれました。

今回購入したのは、列車指定の割引乗車券でノーマル運賃の半額相当です。もっともICEを利用せずにRE(地域間急行)を使えば週末きっぷ(ホリデーパスみたいなキップ)が使えたのですが、せっかくドイツに来たらICE位は乗りのですからね。

vol

自分の座席にもどり、この後の予定を確認していると、ヴォルフスブルク(Wolfsburg)駅に到着します。
駅の目の前に、この駅の名前と同じドイツの自動車メーカーで有名な”フォルクスワーゲン”の工場がそびえています。
まさに自動車の街と言ったところでしょうかね。

この後直ぐに下車駅のブラウンシュヴァイク駅に停車します。
荷物を準備をしてICEから下車し、28分の接続で10:24発のGoslar行きのローカル列車に乗り換えます。
駅の時刻表で1番線からの発車を確認していたので、それまでホームで行き交う列車を撮影して、そろそろホームに向かおうと1番線に上がってみると、まだ列車は入線していません。

そろそろ発車時間ですがホームで待っていた数名の乗客がなんやら騒がしくなり会話の中から”バス”と言う言葉が聞こえます。ドイツ語の放送がありホームに居た乗車が移動していきます。

ホームの発車案内表示機にスクロール文字が流れていてZug…ドイツ語で最初のZugだけは意味が判るのですが、直感的にと列車が来ないようなメッセージだと判断。
駅のコンコースに降りていくとDB案内所があったので、聞いてみたらバスが駅前のAホームから出るのでフィーネンブルクまで行って列車に乗り換えるようにと言われます。

駅の直ぐわきがA乗り場で主に郊外に向かうバス路線が発着していますが、どのバスがフィーネンブルクへ行くバスか判りません。
このローカル線を運行する「erixx」の制服を着た係員と先ほどホームで同じ列車に乗る予定だった乗客も居ますので彼らと同じ行動をとれば大丈夫かなと様子を伺いなかがら待ちます。

20分、30分と時間が過ぎますが一向にバスはやってきません。こりゃ予定とおりにこの先は行かなくなるのは確定です。
良くて1時間遅れ、さもなければ2時間遅れになりそうな予感です。

11時を過ぎてそろそろ1時間近くになろうとした11:15になって今までやって来るバスとは違う塗装の連接バスがやってきました。
正面の行き先案内には列車のピクトグラムとVia Vienenburgと書かれています。係員がこれが代行バスと言っているようなので乗り込みます。

代行バス

連接バスが満員になりバスがブラウンシュヴァイク駅を出発します。一番前の座席に座ったので前面展望が楽しめます(笑)
運転士はカーナビを確認しながら走っているところを見ると普段とは違う道を走っているのでしょう。
このまま乗換のフィーネンブルクに向かえば1時間遅れで着けそうですが、これは代行バスなので各駅に停車して乗客の乗り降りをしなければなりません。

ハイウェイから街中に入り駅前に停まります。
まあこんな事がなければ途中駅の街中なんか見る事は出来ませんからこれはこれで貴重な体験かもしれません。

極め付けはBorsumと言う駅でした。目抜け通りから駅前通りと名付けれられた細い道を入って駅に着いたのは良いのですが、行き止まりでバスを回転させる余裕が無く運転士は連接バスをバックし始めました。
800m程バックしてようやく通りとの交差点まで戻ってきたものの、狭いうえに上り坂です。さらに連接バスとあって上手く操縦しないと付属バスの方が変な方向に曲がってしまいます。

何回も切り返ししたり、再バックしたりと通りに戻るのに悪戦苦闘の10分。ようやく通りに戻った時には車内から拍手が。運転士も苦笑いしていましたが、これが日本なら自分じゃ運転も出来ない人があーでもないと文句言う人が多いことでしょう。
やはり欧米は人としての余裕が違います。

代行バスようやく目的地のフィーネンブルクに到着したのは予定より2時間近く遅れて12:50になりました。
ここで乗継ぐ、ベルニゲローニデ方面行きは13:15発なので接続は悪くはありません。大抵ローカル線でも1時間毎に列車があるので助かります。

バスは折り返しブラウンシュヴァイク駅に向かうようで、駅前で待っていた乗客がバスに乗り込んでいたら、なんと来ない筈のブラウンシュヴァイク行きの列車がやってきました。
どうやら運転再開となった様で、バスの運転士が列車の乗務員に駆け寄りから乗り換えていきます。
と同時にブラウンシュヴァイク駅からやってきたと思える列車が到着。

これはまさかの展開ですねー。代行バスを1時間待って、バスで1時間半かけて目的地についたら、2時間後に運転再開した列車と同着になるとは。

まあこれが旅の醍醐味なんですけどね。
思いもよらずにココで朝、ベルリン駅で買ったサンドイッチでランチにしました。

HEX13:15発のMagdeburg行きは5分遅れでやってきました。
2両編成のディーゼルカーでしたが、車内は比較的すいていたので座ることが出来きラッキーでした。

列車は結構速度が出ており、ローカル線のイメージでは無い感じですが、ヨーロッパの田園風景を30分程走り13:45に目的地のベルニゲローニデ駅に到着です。
本来なら2時間前は着いてブロッケン行きのハーツ狭軌鉄道に乗った筈なのですが・・・

なので今日は予定を変更して麓のベルニゲローニデ周辺で撮影をすることにします。

ホテルのチェックインが14時からだったのでまずは駅から近く今宵に宿「Hotel Altora」に向かいチェックインを済まします。
このホテルもちょっと「鉄」の間では有名だったりします。
特にトレインビューの部屋があり、部屋からはDBとハーツ狭軌鉄道の線路に合わせてSLが常駐するベルニゲローニデ機関区の様子も見えるのです。

部屋から撮影

部屋から撮影

このホテルも1か月半前に予約する際には満室だったので他のホテルを予約していたのですが、2週間前位にキャンセルが出て空きが出たのです。
それもトレインビュー部屋が空いたので直ぐに予約変更して抑えました。

チェックインして部屋に入ると、おートレインビューだ。目の前にSLが2両停車して整備しています。
あー、こりゃマニアにはたまらない部屋だよなぁ~
部屋もかなり広くてツインベットの他、エクストラベットが置いてあり、3ベットルームとしても利用できるようになっています。

さて一服した後は撮影に繰り出します。
まずはホテル近くの跨線橋からこの後出発するブロッケン行き8937列車を撮影します。
この様子はこちらで
跨線橋からはベルニゲローニデのシンボルともいえるベルニゲローニデ城がよく見えます。町一番の観光スポットなのですが、今回は観光は「ありません」のでここから眺めるだけです。

ベルニゲローニデ城

今日は天気も良くて日向ではちょっと汗ばむ陽気です。これならブロッケン山頂も天気が良かっただろうなぁと予定が狂ったことを恨めしく思いながら撮影しました。

結構この跨線橋は人通りが多く、なんか東洋人が写真を撮っているなぁと言う感じでみられながら跨線橋で下り8937列車を撮影した後、直ぐに上り8930列車がやってくるのを撮影します。

撮影後、ここに来る途中のカフェでアイスクリームを売っているお店があったので、ショコラアイスクリーム(1EUR)買って一休みしてから次の撮影地に向かうため駅に向かいます。
日陰では心地よい気温なのでが、日差しがあるとちょっと暑いのでアイスクリームがおいしく食べれます。

次ぎのハーツ狭軌鉄道はブロック行きの最終列車になります。
その列車をハーツ狭軌鉄道にある併用軌道区間で狙おうとベルニゲローニデ駅前のバスターミナルから254番のバスに乗って移動します。

ベルニゲローニデに宿泊する際に宿泊税として2.5EUR支払必要があります。このホテルで宿泊税を支払うと観光施設の割引券が付いた冊子を貰えるのですが、その冊子を提示すると市内のバスは無料で乗車できるサービスがあり、なかなか便利なシステムになっています。

ハーツ狭軌鉄道の併用軌道バスで10分程のハーツ大学前バス停で降り坂を上がるとハーツ大学前駅があります。この駅から100m程が一般道路との併用軌道になっているのです。

先にブロッケンから山を下りてきた上り8904レが到着するので撮影した後、下り8939レがあるので2本の列車を撮影します。


もう山を登る下り列車はありませんが、山から下りて来る列車はまだあります。次の列車まで時間があるので線路沿いの道を西門駅へ歩いていると、後方から汽笛が聞こえます。
さっき行った下り列車の汽笛かと思っていたらどんどん近づいてきます。

もしかして臨時列車?と思いカメラを取り出すと下りこう配を早いスピードでSLがやってきました。
ハーツ狭軌鉄道が3両所有するマレー式のSLの重連列車でした。後で知ったのですが、今日はイベント列車として運転されていたようです。
これはラッキーでしたね。

線路沿いを歩いて西門駅近くまで戻りますが、まだ時間があるのでちょっと旧市街を散策して時間つぶしをします。

ベルニゲローニデ旧市街地

ベルニゲローニデは魔女が集まる街としても有名でお土産屋には魔女の人形をかたどったものが多いですね。
それとクリスマス前にはクリスマスの飾り付けを扱う市が旧市街の広場に出る事でも名の知れた街でもあります。
街角のカフェで一休みしている観光客はみな、大きなソフトサンデーみたいなデザートを食べてます。うーんあんな大きいのを食べたら夕飯が入らなくなりそう・・・

旧市街の写真を撮りつつ、スーパーで飲み物を買って再び西門駅近くの踏切で*レを撮影してあら再び旧市街を抜けてホテルへ戻りました。

ホテルに戻ったのは18時過ぎでしたが、まだ明るく欧州の夏っていう感じです。ちょっと早い感じもしますが、お昼がサンドイッチだけだったのでお腹も減っていることから、ホテルのレンストランで夕食にします。

店内の座席はほぼ埋まっており、テラス席になりましたが暑くも寒くもない時期ですし目の前にはベルニゲローニデ機関区が見えるし、石炭が燃焼する匂いもするとあっては一等席かも。
そういえば5年前にポーランドのボルシュティンに行った時もSL機関区を間近に見ながら食事したなぁ~

ホテルでの夕食まずはドイツビールで喉を潤して、トマトスープとカツレツのキノコソース掛けを注文。
待っていると18:45着の8936レが石炭の香りをなびかせあませながらやってきました。
さすがハーツ狭軌鉄道、SLの運転本数は世界一ではないでしょかね。

トマトスープに続きメインも到着。
海外に出ると、結構トマトスープを頼むことが多いです。大抵のレストランにありますし、お店ごとに作り方が違うのですが、なぜか当たり外れも少ないので安心して頼めるメニューです。
メインのカツレツもキノコのブラウンソースがマッチしてなかなかのおいしかったですね。


いやー満腹満腹。

アルペンマンさて時計は19時半ですが、まだ明るく流石、ヨーロッパの夏時間と言った感じです。
駅まで散歩しようかとカメラを持ちだしてホテル前の交差点を渡ろうとよく信号を見たら、旧・東ドイツ時代に誕生した「歩行者用信号機表示」のアルペンマンでは無いですか。

ドイツ統一で消える運命にあった東ドイツ式の信号機表示ですが、「アンペルマンを救え」と言うキャンペーンが生まれて復活するという、数奇な運命をたどった表示器でもあります。

確かに個性的な表情をしていて、欧州の旧市街地に溶け込みそうな感じです。


駅や機関区の様子を撮影してホテルに戻ったは9時近くになりました。
明日も朝から活動するので早く寝ましょう。


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