2016年欧州乗り撮り記(その4)

2016年9月4日

朝起きてカーテンを開けると出庫準備をしているSLが目の前に停車しています。
うーんなんとも鉄道好きにはたまらないシチュエーションです。ただ、天気は昨日と違ってどんより雲なのが残念。

ホテルの朝食朝食付きなので着替えてレストランへ。
レストランからも機関区の様子の見れ丁度ディーゼル機関車が入換をしているのが見えます。朝の列車に使う客車を迎えに西門駅へ向かうようです。

良くあるブッフェ形式で、サラダに卵料理とハム、パン、シリアルと言った顔ぶれです。
昨晩はテラス席で食事しましたので店内をよく見ることが出来ませんでしたが、レストラン内にはOゲージのレールが曳かれており、昼夜の食事タイムにドリンク類を頼むとこのOケージの貨車で運んでくれるのです。

今回は試すことが出来ませんでしたが、もし次回来るときは室内で食事をしたいものです。

ベルニゲーロデ駅8:55発のブロッケン行き8931列車に乗車するので8時過ぎにホテルをチェックアウトして駅に向かいます。昨日の好天に比べ今日は気温も低く長袖一枚では少し寒いかなーと感じますが現地の人には半袖の人も居ます。
基礎体温が違うからなぁ~

DB駅で着替えなどが入ったバックをコインロッカーに入れて預けます。ベルリンでは1日4EURでしたがココは2EURと値段が違うのはローカル駅だからでしょうか?

ハーツ狭軌鉄道の駅窓口はまだ閉まっており、入口に8:30からオープンと書かれていたので先に機関区のお立ち台に上がってSL見物です。
2016_09_04_0002出発準備をする機関車を見ていると、西門駅からディーゼル機関車が客車を回送してきました。そろそろ窓口も開いた筈と駅の出札口でブロッケンまでの往復乗車券(39EUR)を購入します。


HSB乗車券面白いのが発券機から出てきたのは硬券なのですが、リボン印字方式になっていて事前に印刷するのでは無くその都度印字する方式になっています。

わざわざ硬券にしているのがニクイですねー。

8:55発の8931レはブロッケン行きの始発列車で客車7両連結なのですが、天気が悪いからか乗客はまばらで1両あたり数人です。


列車は定刻にベルニゲーロデ駅を発車して西門駅へ。
ココからも観光客が少し乗車しましたが、多分いつもより少ないのでしょう。ガラガラのまま発車しここからは上り勾配になり徐々にブロッケンに向けて上り始めていきます。

ベルニゲーロデの街外れになるHasserode駅を出ると林の中に入り森林鉄道の雰囲気になってきました。
スイスなどの山岳鉄道ではアプト(ラックレール)式で勾配を上がる所も多いですが、ハーツ狭軌鉄道は通常の車輪による粘着運転となっており右へ左へ山々の稜線を巧みの登っていきます。

空いていることもあってデッキに出てはカーブに入った時に機関車を撮影したり連結器の動きを見たりしながらSL列車の旅を満喫します。
これで天気が良ければ最高なのですが・・・

列車はベルニゲーロデから40分程でドライアンネホーネ駅到着します。ココは標高540mで既に300m程の勾配を登って来ました。
ココから終点のブロッケンまでは高低差が580m程あり勾配もきつくなるので、SLは給水を行う為10分程の停車時間があります。
ドライアンネホーネ駅で給水
乗客もホームに降りて一休みです。

霧雨が降り流石に長袖でも肌寒く感じます。丁度ホームに売店があったのでコーヒー(2EUR)を買って体を温めます。

ドライアンネホーネ駅を発車すると再び勾配を登って行きます。勾配もきつくなりSLのブラスト音も甲高くなってきます。
10分程でシュノーケ(Schierke)駅に停車します。
終点のブロッケンにはレーダー施設があったことから旧東ドイツ時代はここから先は一般人が立ち入りが制限されていましたが、今では開放されて絶好のハイキングコースとなっています。

霧で視界がまったく悪い勾配を上がっていくど徐々に霧が出てきて視界が悪くなります。気温もかなり下がってきてデッキに出るのが辛くなってきました。

シュノーケから30分列車はようやく終点のブロッケンに到着しますが、周りは霧でまったく見えないのです。
駅の向こうにはレーダー施設があるのですがまったく見えません。


元々ブロッケン山頂は霧が出やすい場所で山頂は年間300日は霧に覆われると言われており、有名な「ブロッケン現象」の由来になった場所でもあります。
ブロッケン山頂
それに駅のある温度計を見てびっくり、なんと気温が8℃なんですね。うーさむい。
ココで1本段落ちして次の列車にのってドライアンネホーネ駅に戻る予定でしたが、これでは撮影どころではないので来た列車で戻ることにします。
折り返し8940列車は10:51発なので15分程の滞在となりした。

下り列車の乗客でも直ぐに折り返す乗客もちらほらいますが、元々下りの乗客は少なかったのでガラガラでブロッケンを発車、坂を下って行きます。
ハイキングコースと交差しますが、こんな悪天候でもハイキングする人はホント気合が入ってますね~

列車は途中で一旦停止し、信号所に入ります。シュノーケとブロッケンの間にスイッチバックで列車交換が出来る場所が1か所あります。
山を登る下り列車が優先なので上り列車は10分程待つことになります。

下り2番列車を退避した後、列車はバックして本線に戻り再び山を下りていきます。
ブロッケンから50分程で列車はドライアンネホーネ駅に到着しました。流石にココまで戻ると曇っているもの霧は無く、気温も上がり長袖1枚でも大丈夫な位の気温です。

ドライアンネホーネ駅で機回しするSLブロッケンから乗車した列車はドライアンネホーネ駅止まりで折り返しブロッケン行きになります。

ここで時間まで列車撮影をすることになります。
駅を出て撮影ポイントに向かう途中、SLが機回しをしているのでその様子を撮影します。
完ぺきに鉄道敷地内ですが、列車から十分離れている場所にいる分には欧州ではまずとがめられる事はありません。
自己責任をしっかり理解しているお国柄だからでしょう。

この後、駅近くの踏切からやって来るSLを撮影します。
(その様子はこちらで)

お昼は駅に併設されているレストランで「ソリヤンカ」と「カリーヴルスト」で昼食にしました。
ソリヤンカとカリーヴルスト「ソリヤンカ」は旧東ドイツ地域で親しまれていたトマトを使ったスープです。ロシアのボルシチの派生らしいですが、これは美味しいスープです。

そしてカリーヴルストはベルリンで人気のソーセージ料理。ソーセージにカレー粉をまぶしただけの簡単?な料理です。単純だけにソーセージが美味しければ美味しい訳で・・・

昼食を食べお終わると外は一気に回復して青空が見えるほどになりました。
ドライアンネホーネ駅14:23発の8930列車で山を下りないとならないのでそれまで列車撮影をしてから8930列車に乗車します。

この列車は結構混雑しており、機関車次位の客車のデッキに立ってSLを見ながら山を下ります。
山を下る8930レ石炭のいい香りをなびかせながら山を下ること40分で終点ベルニゲーロデ駅に到着です。

ドライアンネホーネでは晴れていい天気になったのですが、麓に戻ってきたら雨が降り出す始末。
うーんあの晴れ間は神様のプレゼントだったのでしょうかね。

この後は15:42発のHEXに乗車しマクデブルク経由でベルリンへ戻ります。
コインロッカーに預けた荷物をピックアップして1番線で列車を待つと5分遅れの表示が出ました。マクデブルクでは15分しか乗継時間が無いのであまり遅れると困るなぁと思いながら待っていると2両編成の気動車が到着しました。

帰りの切符は1等車のチケットを購入していたので1等客室を使えます。
2両編成でも16席分が1等区画になっているのですが、誰も居ませんでしたね。

雨の中列車は気動車とは思えない快調な走りで田園地帯を走り、途中で進行方向が変わり終点のマグデブルグには5分延のまま5番線に到着となりました。
乗り継ぐCottbus行きのIC2431列車は8番線からの発車です。

軍用列車8番線ホームで列車を待っていると7番線に貨物列車がやってきました。その積荷を見てびっくり!
なんと軍用列車でした。

無蓋貨車の上の軍用トレーラーや装甲車、指揮車が乗せられて運ばれていきます。
時代が時代ならこんな列車を撮影したら一発でKGBに連行されていたでしょうね。


IC2431列車はほぼ定時に到着しました。DBが昨年から投入した地域間用IC列車IC2と呼ばれるダブルでッカーの新しい車両でSBBのICと同じような車両です。

1等チケットを持っていると座席指定が受けられるので指定を取っていましたがこのIC列車はシートマップで席を選択できないので自動割り当てされた席に座りますが、これがまた進行方向と反対側の席でした。

車内はガラガラで進行方向向きの座席に移動します。
マクデブルグからベルリンまでは約1時間半です。車内販売があれば何か軽いものでもと思ったのですが、残念ながら車内販売は無くちょっとひもじい思いをしつつベルリンへ向かいます。

途中、線路工事があり単線区間があった為5分遅れでベルリン東駅に到着しました。

ベルリンの壁中央駅でなく東駅まで乗車したのは、東駅から歩いて数分のベルリン・ウォールイーストサイドギャラリーに立ち寄る為です。
駅を出て川沿いの道を東に数分で歩くと壁が現れます。

折角、ベルリンに来たならベルリンの壁は見たいですからね。
とは言っても現存するベルリンの壁は少なく、ココが現存する壁で一番長い場所ですがギャラリーとなって若手アーティストが壁をキャンパス替わりに描いたギャラリーになっています。

でも東西を分けた雰囲気が残っています。
ココが東と西を隔てた壁なんだと思うとイデオロギーの対立と言うのがどんなに無意味だったのか考えさせられます。

このギャラリーで有名な旧ソ連のブレジネフ書記長と旧東独のホーネッカー書記長のキス画を見ることが出来ました。

オーバーバウム橋さらに壁沿いに歩いていくと、「オーバーバウム橋」にぶつかります。ロシア風の橋でさらには地下鉄Uバーンが走る橋としても有名です。

この橋を走るUバーンを撮影していると雨がぽつぽつ降ってきました。
ここからWarschauer Strase駅までは直ぐなので早歩きで移動します。


この次はブランデンブルク門へ向かうのでSバーンに乗車しFriedrichstrase駅で降りてUバーンに乗り換えてブランデンブルク門駅へ
ブランデンブルク門ブランデンブルク門に着いた頃には雨も上がり、日暮れの中ライトアップされて絢爛な感じがします。
この門も東西冷戦に巻き込まれて一時はベルリンの壁でおおわれる時代もありました。
さて19時半も過ぎたしベルリン中央駅に戻りましょう。

ブランデンブルク門駅から中央駅までは真新しいUバーンに乗ります。この区間だけを走る地下鉄で2両編成の列車が行き来きするだけの地下鉄で5分程で終点の中央駅に到着しました。

ベルリン中央駅で夕食夕食は中央駅で食べようかと思っていましたが、駅構内のフードコートみたいなところも見たりしましたが、どうもコレと言うお店がありません。

結局、地下2階コンコースにあった、チップアンドフライのお店がありエビフライが美味しそうに見えたので、もうココでいいかとフィッシュバーガーとエビフライ&コーヒーで夕食にしました。

店内で食べた後はコインロッカーに預けた荷物を取り出そうと、昨日預けた場所に向かい超過料金の4EURを払おうと2EURを入れると戻ってきてしまいました。
あれーおかしいなぁとコインを変えたりして試してもリジェクトされてしまいます。

これじゃ荷物取り出せない!とこれには焦りました。これから乗る夜行列車までまだ1時間以上あるとは言えさてどうしたものかと、コインロッカーの使い方を書いた張り紙を見ると、お困りの時はDBインフォメーション係員か電話をと書いてあるのを見つけ、急いでDBインフォメーションへ。

インフォメーションは丁度閉まる寸前だったのですが、ロッカーが開かないので助けてくれとお願いするとどこかに電話をして「係員が来るからロッカー前で待て」と言われ再びロッカーに戻り5分程したら赤帽を被った係員が来て、ロッカーのカギと場所を確認しい、入っているのは何かと質問があった後、マスターキーで空けてくれました。
どうやら、お金を判別するセンサーがハングアップしていたようです。
いやー、こういうトラブルもあるもんだと、冷や汗をかきましたね。

荷物も無事ピックアップした後は、DBラウンジへ。
今晩、乗車する夜行列車はシャワーとトイレが付いたデラックス寝台を利用するので1等乗車券になります。
ちなみに事前購入割引で買っておいたので乗車券込で2万5千円程でした。

DBラウンジ1等乗車券を持っていると主要駅にあるDBラウンジを利用できるので時間までゆっくりさせてもらおうと受付で乗車券を見せて入場し、1等利用者エリアのソファーに座ると係員が来てくれてドリンクのオーダーを聞きに来ます。

ドリンクとあわせてサンドイッチも要るかと聞かれ、さっき食べたばかりですがもちろん貰います。


これから乗車するチューリッヒ行きCNL(シティナイトライン)471”Sirius”は中央駅の北側Berlin Gesundbrunnen駅始発で中央駅には地下ホーム4番線に21:38に到着し21:50発車となります。
21時半前にラウンジを出て地下ホームに向かうと列車接近のアナウンスがありDB101型電気機関車に牽引されたCNLが到着しました。
CNL
ベルリンからチューリッヒまで14時間半かけて走るCNLですが、この12月に廃止が決まっています。

元々CNLはスイス国鉄・ドイツ国鉄の合弁企業として誕生した夜行列車専門のオペレーターで、新しい夜行列車の姿として人気を博した時期もありましたが、LCCの台頭で利用者が減りスイスは運営から撤退しDBの子会社となって運転していましたが、さすがにDBも継続は困難として廃止されることになりました。

2016_09_04_0299日本の夜行列車も絶滅寸前ですが、欧州でも夜行列車の未来は宜しく無いようです。
さて、今晩の宿は272号車の52番寝台です。(それにしても272号車と言う号車の番号の振り方はどういう考え方なんでしょうね)

3段式寝台しても使える車内に、コンパクトなトイレとシャワーの円形小部屋が付いた部屋になります。今日は1人なので下段の寝台だけがセットされており、ウェルカムドリンクとして赤ワインとミネラルウォーターが用意されています。


列車は定刻にベルリン中央駅を発車します。
荷物を整理したりしていると良い時間になってきたのでシャワーを浴びようと準備をして入りますが列車ですから揺れます。
カーブを曲がると遠心力が働く訳でその時に丁度、頭を洗って流してした時だったのですが、排水口の位置と反対の方向に遠心力が掛かり、あふれ出てトイレの方までびしょびしょになってしまいました。

うーむシャワーを浴びる時は駅に停車中がいいのかも。

さて、早く寝ましょう


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