そんなJR東日本の路線ネットワークから見捨てられたのかように、地元に総武本線の金町支線、通称「新金線」があります。葛飾区の南北を走る貨物線は、JR常磐線とJR総武本線を結ぶ貨物用の路線ですが、昔から旅客転用化の要望があるものの実現していません。
なにせJR東日本は新金線の旅客転用化には消極的と言うより、やりたく無いのが本音なようですからね。
自分が考えるには旅客化のメリットがJRには全然無く、残念ながらデメリットの方が大きいからでは無いかと考えてます。
その主なデメリットは
・営業キロの変更による運賃収入の減少
・新金線旅客化のメリットがJRにない
・国道6号(水戸街道)の踏切
と言ったところでしょう。
新線開通による運賃収入の減少ですが、新線が開通すれば乗客が増えるので増収になりそうですが、新金線の場合、増収どころか減収になる可能性を秘めているのです。
大都市近郊区間なので運賃計算は実際の乗車経路に関わらず最短距離で計算します。
新金線の営業キロは7.1kmと仮定します。(これは現在の路線長が小岩起点の8.9kmとなっており、新小岩(信)~小岩間の2.3kmが重複しているのでこれを除き、新小岩(信)~新小岩の0.5kmを加えた数字を採用します。)
この前提で
両国から松戸まで乗車する場合、日暮里経由だと21.4kmで390円です。
一方、新金線経由では17.7kmで310円となり、JRとしては80円の減収となります。
この様な運賃の変更区間が、常磐線各駅と大都市近郊区間(特に総武線で絡む区間)で生じることになります。
利用者としては歓迎されますが、企業として見た場合、費用を掛けて開業したら減収になったでは済まされません。
新金線の新駅開業でバスや京成線からの旅客移転があるから増収になると言う議論もあるかも知れません。しかし、そうであれば既に葛飾区が関係者と新金線の旅客化構想について非公式な打合せをした際に、JRが自社案を打ち上げている筈です。
上野東京ラインを開業(回送線を復活させただけですが)しますが、開業で乗客が増えるのでは無いのに多額な費用を掛けているじゃんと言われるかも知れませんが、JRはこの路線開業で品川~田町間の開発事業が行える事になり、これからの少子化時代の収益になる開発事業が出来るのが最大のメリットになります。
もちろん並行する京浜東北線や山手線の混雑率緩和は昔から課題であるのと、山手線のホームドア設置に伴いホーム滞留導線の悪化するのを防ぐ効果があります。
残念ながら新金線開業で、JRには何もメリットが無く、多くの郊外私鉄と連接する武蔵野線の強化をした方がJRとしてはメリットがあると考えているのでは無いでしょうか
だから、既にJRは費用対効果を考えて旅客化のメリットが無いと判断していると考えるのが妥当だと思います。
思いのほか長くなったので、この続きは改めて書きます。
(つづく)
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