旅の窓口がブルートレイン衰退の一因か?

ブルートレインも夏までの命

ブルートレインも夏までの命

ついにブルートレインが死語になる時期が近づいてきました。
ブルートレインが衰退したのはJRが力を入れなかった、寝台料金が高いからだと言う意見が大半です。
確かにその意見も頷くところですが、果たして内部要因だけでは無いと思っています。

衰退の大きいのは外部要因でしょう。
ブルートレインと言うと「旅行」と言うイメージですが、廃止の理由は平日の乗車率低下です。
それまでビジネスで利用していた人が一気に減ったのが大きいです。(北斗星は必ずしもそうでは無いですが)

ブルートレインが衰退し始めたのは2000年頃です。
その頃からインターネットが爆発的に普及しましたのもこのあたりです。

ネット創生期にビジネス界で革命的だったのが、ビジネスホテルの宿泊予約サイト「旅の窓口」でした。それまでビジネスホテルの予約をするのが凄く手間が掛かったのです。
元々、広告を出せるビジネスホテルが少なく電話帳で調べたり、人伝で知ったりするしか無かった時代です。
どこにどんな宿があって幾らで泊まれるか簡単に調べられなかったのです。

だからこそ、移動しながら確実に宿代わりになる寝台列車や夜行列車が重宝された時代でもあったのです。

それが「旅の窓口」が登場したことで、簡単に宿が見つかり、一気に宿探し問題が解消され、出張ビジネス者がこれは便利と使い始め一気にネット予約が広がりました。

それと同時期に羽田空港の沖合展開が完成。発着枠が増加し幹線やローカル線の増便、空港運用時間の延長で遅い時間の出発便が増えたのも大きい要因ですね。

そうそう、夜行高速バスも同じような時期から増えてきました。

そんな外部要因が広がりブルートレインの利用率も低下してきた中、JR各社がブルートレインに投資したとしても、結局は同じ道を辿ったと思うのです。
(サンライズなどに投資しましたが・・・)

寝台料金が高いと言う批判もありますが、JRになって寝台料金の値上げは税金による値上げや新区分設定以外ではほぼ行っていないのです。

物価が上がる中それだけでも大変なことです。

ブルートレインは、クルーズトレインと言う新たな境地を切り開いただけでも大したことだと思います。
庶民的な列車を残せと言う気持ちも無いわけでは無いです。
ですが、現状を考えれば残すだけの理由が無いのも事実です。
欧州では安い運賃で利用出来るクシェットが連結されている夜行列車も、LCCに押される様に夏冬のダイヤ改定時に夜行列車の削減が行われて減少傾向にあります。

安いから料金を設定すれば利用者が増えると言う議論も欧州の現状を見ると説得力がなくなってしまいます。

残念ながら夜行列車にはあまい良い展望が見いだせないのが現状です。
時は常に動くもの。それによって世の中も動く。そういう物と割り切るしか無いでしょうか?

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