旅行代理店の「てるみクラブ」が破産し多くの旅行者に被害が出ました。
今、旅行業界ではLCC就航や海外大手ネットの販売参入などでユーザが重なるネット利用者からの売上が減り、メディア販売に主軸を変えつつある中、今回の破産で利用者が先払いをさせる旅行代理店に足して毛嫌いして、第二の「てるみクラブ」が出ないかと心配になります。
「てるみクラブ」は営業停止になる直前までメディア広告を行い「早期現金払いで格安」的な宣伝をしていました。
その広告を見た時、年度末で現金が必要なんだろうと思ったものです。
案の定、3/23に「てるみクラブ」はIATAのBSP精算、3/16?3/23分の第3ピリオドだと思うのですが、その銀行決済ができなかったと言うことになり、営業停止状態になったわけです。
ネットやメディア販売を主とする旅行代理店ではどうしても自転車操業になりがちです。
利用者は少しでも安いツアーを探しますからね。
少しでもアイキャッチしてもらえる代金をひねり出して広告しないと利用者が集まらない訳です。早割と称して先の予約を受付て代金を支払わせて、直近に出発する航空券代やランド費に回すと言うのが常套手段になっていたわけです。
それが回っている内は良いけど、一度焦げ付けばThe Endです。
旅行業界を取り巻く環境は以前に増して厳しくなってきています。
航空券予約・発券システムも座席コントロールの厳格化、E-TKT化が進み昔のような団体用の枠を売ると言う仕組みが無くなり旅行代理店が航空券を売ると言う時代では無くなっています。
バブルが弾けた後に、旅行代理店の倒産が相次ぎ社会問題になったことがありました。当時はネットが無くツアー情報はAB-Roadなどの旅行雑誌から得るのが主だったのでAB-Roadへの出稿基準などの強化、さらに旅行業法の改正、協会保証金の値上げなどが図られ、その後は、旅行代理店の倒産も続いたものの、大きな混乱が生じる程の大型破産は無かったのですが・・・
今回のトラブルで一番の被害を受けたのは渡航中の旅行者でしょうね。
ホテルから追い出され(お金を請求されたり)、航空券は紙切れなったりと海外では情報も少なく右往左往することになりますから・・・
そして残念ですが、JATAの弁済制度から救済される金額は雀の涙ほどでしょうから、お金が戻ってくるのは保証もありません。
第二の「てるみクラブ」が出ないことを切望するしかありません
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