マルスは賢い

JR乗車券

「マルス」と言えば旅行好きな人ならすぐに、JRの予約システム(CRS)だと思いくでしょう。国鉄時代から始まった列車の予約システムで、JALの予約システムJALCOMと並ぶ日本を代表する予約システムでもあります。しかしJALCOMはその後AXESSに発展したもの国際的に予約システムにはなれず、既にJALは自社システムからGDSのアマデウスに鞍替えしています。

マルスは国内向けと言うこともあって、いわゆるガラパコス的な発展を遂げていて鉄道の予約システムとしては世界に類を見ないシステムになっています。
座席予約だけならいざ知らず、JRの複雑怪奇な?運賃ルールも網羅しており、操作する係員より優秀(笑)だったりします。

先日も一筆書きの乗車券(レール&レンタカー)を購入したのですが、その利口さに驚きました。窓口で申込んだのは
久喜(東北本線)郡山(磐越西線)新津(信越本線)東三条(弥彦線)燕三条(新幹線)上野(東北本線)秋葉原(総武線)錦糸町(総武本線)東京(東海道本線・山陽本線)岡山(本四備讃線)高松(高徳線)栗林
と言う経路の乗車券です。
みどり窓口で面倒客の貧乏くじを引いてしまった係員さんはマルスに経路入力をしますが、再考(エラー)になってします。

あまり複雑な経路だとマルスで自動計算できず手書きの補充券になってしまいますのでそれは避けたい(時間もないし)のですが、なんとか東京岡山間を新幹線にすることでOKになりました。
東京からはサンライズに乗車なので、在来線経由にしないとJR東日本の運賃配分が少なくなりますが、ルール上はどちらでも乗れるのでこちらとしては構わないので、マルスの画面に表示されている経路を一緒に確認して発券してもらいました。

切符を受け取りいざ出発となった段階で切符をよく見てみると、「~新幹線・上野・東京・新幹線・岡山~」となっています。
あれ、錦糸町が抜けている!

わざわざ錦糸町で途中下車できるように経路を指定したのですが、見た目上野から東京まで抜けて新幹線となっていてこれでは錦糸町で降りれない?と思ってしまいます。

でもマルスの画面上はちゃんと錦糸町が入っているのを係員と確認したんだけどなぁ~と
既に出発しているので乗換駅の郡山で聞いてみることにしました。

経緯を話して、これで錦糸町で途中下車できるか?と聞くと奥の事務所に戻って調べてくれました。
支社のマルス指令に問合せたのか10分程で時刻表をもって戻ってきて、錦糸町が抜けた理由を教えてくれました。
それがこの規則でした。
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旅客営業規則 第70条
第67条の規定にかかわらず、旅客が次に掲げる図の太線区間を通過する場合の普通旅客運賃・料金は太線区間内の最も短い営業キロによって計算する。この場合、太線内は、経路の指定を行わない。
旅客営業規則70条図
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あーこれかぁ!
旅行業取扱主任者試験で勉強したのを思い出しました。
運賃は最短で経由するけど、重複しなければこの図どっちを通っても良いので、これ良くひっかけ問題で出るんですよね。
もう30年近く前の記憶が蘇りました。
(あ、ちなみに自分は国内・一般とも資格保有者だったりします)
この規則は時刻表のルールページにも記載されていて、そちらには途中下車出来る乗車券なら途中下車が出来るとちゃんと書いてあります。

まだ窓口も空いている時間だったので、丁寧に対応してくれた係員さんに感謝しつつ、マルスってそこまで判断して経路の印字から外すようにシステム化されていることに驚きました。
経路指定しているからそのまま印字されると思い込んでましたが、ちゃんとその経路を理解してるんですですね。

マルスには敬服です。

さて途中下車中の乗車券をこれから利用再開です。

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