ANAが過去最大の赤字となる通期決算見込みを発表しましたが、そこで出てきたのが中距離向けLCCの設立にはビックリしました。
ANAグループの運航会社「エアージャパン」をLCCに転換させるとの事ですが、元々、ワールドエアーネットワーク(WAC)としてANAのチャーター部門として誕生し、JALグループのJAZと対抗したキャリアですが、チャーター便事業も当初の目論見通りに行かず休眠会社になりました。
その後、国際線の拡大に伴い近距離路線ではANA本体での運航では利益率が悪くなったことから、運航コストを押さえた(早い話、ANAと給与体系の異なる社員を集めた)運航会社として再開させ、ANAの近距離国際線などを担当させ形式上コードシェアとしていますが、営業上はANA便名がメインとなるような形態になりました。
今ではANAの貨物専用便の運航も行っています。
今回の発表では、B787を使って東南アジア・オーストラリア路線など観光路線を中心に、今後需要回復が早そうなレジャー観光需要を確保しようと言う計画だそうですがこの状況下ではどう転ぶか判らず、正直迷走しそうな感じがしてなりません。
ANAのLCCと言えばピーチですが、バニラ(初代エアーアジア)とピーチと二本立てだったのをようやくピーチに一本立ちさせたのに、中距離は別会社にしてと言うのもスケールメリットが出ないような気がするのは自分だけでしょうかね。
ビジネス需要が戻らない前提の話で言うなら、今までのようにファースト、ビジネスで稼ぐというスキーム自体も成り立たないと言うことになります。ANAにしろJALにしろ生き残る為には構造改革をしないとダメと言うことでしょう。
となると、かなりの痛みを伴うことになりますから、この業界はこれからの数年間は大きく揺れ動くでしょうね。
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