その①からの続きです。
【車両の様子】
譲渡当時は日本時代のまま、カラーリングのブルーでしたが、塗り替えられてタイでは高貴な色とされている紫と濃紫色のツートン塗装になりました。 最初の譲渡から既に年が経過し、外板にも方向幕も抜かれ日本語表記が数多く残っていましたが、その後盗難?なのか少なくなりましたが、車内の雰囲気は日本当時のままです。
元24系のオハネフ25は、床下にディーゼルエンジンを設けて、電源供給を可能しており、妻面に排気ダクトが設置されているので改造車と見分けやすいです。元14系15型や24系25型車は銀帯が残っています。連結器には緩衝ダンパーが設置されているので、物々しい感じにはなっている。
各車両に昔で言う乗客専務車掌が乗車しており、検札、ベットメイキングの他車内の見回りなどを行っている。
停車駅が少ないことから車内での盗難は少ないようですが、BハネはもとよりA個でも電子キーは使用されていないので、列車内を見物する際はパスポートなどの貴重品は携帯し、荷物はワイヤーキーなどで施錠するのが良いでしょう。
灰皿も残っていますが車内は禁煙。ただしデッキ部分では車掌によっては容認されているようです。
【一等寝台車(個室A)】
JR西日本で「瀬戸」などで使用された車両が譲渡され1等寝台として利用されている。
車内のサービスパネルは日本語のまま使用されており、日本人以外には判りづらいので、説明を聞く乗客が多数。
オーディオ装置は撤去されていますが、電動でベットの位置を動かす装置は生きていてコントロールパネルで動かすことが出来ました。
エアコンもこのスイッチで入切が出来るので寝る時はエアコンを切って寝ることも出来るので快適に過ごせる。カーテンがピンク色に変わっており、ちょっと怪しい感じがします(笑)
洗面器も使用できるが、もちろん飲むことは出来ない。LEDの読書灯が設置されていて一応明度調節は出来るようでしたがあまり変わらなかった。
シャワー室も使えますが残念ながらお湯は出ないので水シャワーです。
【2等寝台車(Bハネ)】
ほぼ日本時代のままで、まるで日本にいるような錯覚に陥ります。
通路脇の引出椅子も健在だし、栓抜きも残っている場所もある。
下段寝台利用時には係員がベットメイクしてくれ、モケットの上にマットレスを引き、その上にシーツをタオルケットを用意してくれます。上段寝台は発車時には既にベットメイクされていました。
なお車端部の2人寝台区画は乗務員の寝台として使用するようになっていて販売されていない模様です。
車内はエアコンがかなり強力に効いていますので、長袖など煽る物が無いと14時間の長旅に風邪を引いてしまうかも知れません。
【運転の様子】
思っていた以上にやさしい運転でした。駅に停車した際には連結の遊びを伸ばして発車時のショックを和らげてましたし下手な日本の運転士より上手いかも。
おかげで発車時のショックで起こされると言うことは無かったですが、軌道が貧弱?(ジョイント音が短尺レールだった区間)な場所では揺れが大きかったです。揺れのせいなのか?時折沿線に樹木が茂っている場所では枝に車体が擦られるような所もありました。
チェンマイ手前の峠越え区間では補助機関車が先頭に連結されて重連で峠を登ります。
【飲食】
乗車すると食堂車スタッフがメニューと共に夕食と朝食の注文を聞きに来るので、時間を指定すれば寝台までデリバリーしてくれます。
味の方は悪くは無いと思いますが、街中より値段が高い(日本よりは激安ですが)です。飲み物も食堂車で販売していてますが、乗車前にホームの売店やコンビニなどで購入しておくのが良いです。昔JR車両にあった冷水機は使えません。
【タイ国鉄車両】
日本製車両も多く製造当時の国鉄型などと共通部品もあります。
チェンマイ発に乗車するなら、13列車到着時に編成を確認してもしもタイ国鉄車だったらJR車両に変更をトライするのも手かも知れません。(サボ返しをした後の号車番号を確認しとかないとダメですよ)
【補足】
最近、バンコク・チェンマイ間の看板列車であった1・2列車にAC2等座席車として元12系の改造車が1両連結されるようになりました。
面影はあるものの両開きの身体障害者用のドアが設けられ、座席も3列リクライニングシートに装換されています。
(この列車はタイ国鉄の看板列車で全車寝台車で組成されていたのですが、座席車も連結さえて格落ち?したようです)
以上、2014年3月時点の情報です。
タイも色々と情勢が変わりますので、必ずしもこの情報が正しいとは限りませんので、お出かけの際は注意してください。
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