日本で保存鉄道を育てるには

DVZO 鉄道

今夏のスイス訪問では、チューリッヒ郊外の保存鉄道、チュルヒャー・オーバーラント蒸気鉄道協会(DVZO)を訪問しましたが、いやはやびっくりしたのは旅客輸送は1969年に廃止となったBauma~Hinwil間、約11kmの路線をそのまま保存鉄道にしてSLや電気機関車を春から秋の週末だけ運転される線区になっています。保安装置も昔のままで転轍機もワイヤー連動で手動で切り替えたり信号機も古いタイプの腕木信号機が使われていてそれだけでも見る価値があります。
テコ取り扱い場
標準軌で電化もされている路線ですがまるまる保存鉄道となっています。さらにHinwil駅ではスイス連邦鉄道(SBB)のホームに乗り入れています。
Bauma駅は専用のホームですがSBBとは線路は繋がっていて、Bauma駅からハイキングコースのhulftegg峠までノスタルジックなボンネット型のポストバスを走らせています。

この区間は今ではバスが代替えとなっていますが週末だけは列車が昔のスタイルのまま走っているのです。

そして鉄道ファンの為の保存鉄道では無く、観光も意識していてファミリーで楽しめるようになっていることです。日本のような変なマニアが闊歩して撮影地で奇声をあげるような事がありませんし、ハイキングにいくついでに保存鉄道を利用する(またその逆)と言うスタイルが出来ています。

驚くのはスイスには保存鉄道や保存車両運行者をメンバーとする「スイス保存鉄道協会」と言う団体がありメンバーは80団体もあるそうです。

日本には保存鉄道と言うカテゴリーは無く、鉄道事業者が「保存」目的でSLなどを走らせていますが、あくまでも副業で先日も九州のSL人吉も老朽化を理由に動態運転をやめてしまいました。
また最近、廃車となった車両を買取り自分の土地なので保存保管するのも増えていますがあくまでも、ディスプレイで趣味の世界に留まっています。
そんな状況からスイスにおける保存鉄道は凄いなぁと関心してしまいます。

日本で存続が危ぶまれている線区はいっその事、保存鉄道に転換しちゃえばと思ったりしました。
まあ新たな鉄道事業法を制定する必要がありますが、安全規制なども100km以上で走るような保安基準に合わせるのは無く45~60km/hでゆっくりと走るのを目安にしてお金のかからない鉄道に転換すればといいのにと

まあそんな事は日本じゃ無理だろうなと思いながらDVZOの旅を楽しんできました。

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